5/12 中川さんレクチャー

5/12、個人発表の後、中川さんに最小限をテーマにレクチャーをして頂きました。

その時のスライドを中川さんがアップしてくださいました。
https://prezi.com/secure/1a4576ffb109b84450ef4a578e4e73cbbedce228/

以下、レクチャーの大まかな内容です。


エヴァン・イリッチの「エネルギーと公正」を中心に―
・新しい社会を考える必要がある。
いもむしが蝶になるためには、さなぎの中で一旦どろどろになる必要がある。(上橋菜穂子獣の奏者)人が変わるには、一度、心を溶かす必要がある。

  
・今は大きな転換期
  変わるべきは、代替エネルギーの方向へか?省エネルギーの方向へか?
  思想的な変化が必要。浪費を見直さなければならない。

・イヴァン・イリッチ「エネルギーと公正」
  
社会秩序を守るためにエネルギー消費に対して必要とされるもの
1.規制
2.産業の転換
3.制限のある社会
このうち、1.規制は京都議定書で、2.産業の転換は省エネ家電やハイブリッド車などで実現されている。3.制限が重要。
制限がない社会とは、エネルギーを大量消費が、自然破壊に先立ち社会崩壊を引き起こす。
エネルギー消費は、麻薬中毒的であり、知らない間にエネルギーの浪費に慣れてしまい、止められなくなってしまう。

バックミンスター・フラー 宇宙船地球号
  地球を閉じた宇宙船と見なした。閉じている=制限があるということである。
 

・自作について
住宅のレシピ ―住宅のプランを作成したら、それから構法などを自動的に決定し、建て方をビジュアル化するソフトを作成中。
箱の家ではない ―処女作。建設後も調査を実施し、人が歩いた場所を床暖房の温度分布に結びつける試みなどを行っている。
15A(15A(アンペア)のオール電化住宅) ―蒲田で、主婦の視点を切り口にし、4人家族で、オール電化でありながら電気の契約を15Aで抑えられる住宅・生活を提案する。15Aをベースにした広域実験を目指す。

正岡子規 「病床六尺」

脊椎カリエスを患い、病の床から起き上がれないという制限の中、子規庵の床から見える庭の風景を俳句に詠んだ。子規の姿勢を参考に、転換期に差し掛かった今、制限を受け入れて楽しめる生活を考える必要がある。


以上がレクチャーの内容です。
設計をする上で、ただ建築だけで最小限を目指すのではなく、新しいライフスタイルを提案し住む人の意識を根本的に変えることが大事だと教えていただきました。

中川さん、お忙しい中、ありがとうございました。