6/4・5 環境キャンプ

環境キャンプに、講師の方3名・受講生8名・TA3名で行ってきました。場所は長野県の女神湖です。
 4日の午前中に出発。渋滞で予定以上に到着が遅れ、13:30にキャンプ場に到着。4日の午後は、以下の7項目を行いました。
太陽光発電
 太陽光発電パネルで発電した電気で12V蓄電池を充電。貯めた電気は、夜、バーベキュー時とテント滞在時に、30Wの蛍光灯を付けるのに使用しました。
《ペットボトル太陽熱温水器
 ペットボトルに水を入れて、太陽熱を使って水をお湯にしようと試みました。効果的な集熱の方法を確かめるため、通常の透明の2Lペットボトルに4種類の加工を施し、水の温度の上昇具合を確かめました。①透明のまま、②白く塗る、③黒く塗る、④黒く塗った上でプラスチック板で作った箱に入れる、という加工をしました。結果は④、③、①、②の順に温度上昇が大きくなり、白は熱を反射して黒は熱を吸収することと、ペットボトル周囲の空気の対流熱伝達率を低く抑えることが効果的であることがか、確認されました。
《ソーラークッカー》
 パラボラを組み立てて、その焦点に水を入れたお鍋を置いて、水を温めました。沸騰するまではいかなかったものの、15時位に設置をし、30分程度で12℃付近から80℃低度まで温まりました。
《テント作成》
 外部講師の井口先生が持ってきて下さったテントを組み立てました。床にマットを敷いたり、壁を二重にしたりして、寒さ対策を行いました。組み立て後に、内部に温度とりを設置しました。
《家づくりワークショップ》
 家、というか立方体の箱の枠組みを3つ作成し、それぞれに異なった壁面を貼り、3つの箱の内部の温度変動がどのようになるかを測定しようという実験です。底面に断熱材を敷くのは3つともに共通ですが、貼りつける壁面・天井面は受講生が考えました。
1つ目のA(高断熱タイプ)は、5面中、天井面・北壁面・東壁面・西壁面をスタイロフォームで構成し、南面を緑色のビニールとしました。
2つ目のB(ぷちぷち+水蓄熱)は、エアーキャップで5面を覆い、更に南側を除く4面をブルーシートで覆って断熱性を高めました。南面から日射取得を行いつつ、ビニール袋に入れて床面に敷いた水に蓄熱させることで、温度を安定させるように考えました。
3つ目のC(温室タイプ)は、5面とも透明のビニールシートで覆い、日射取得を重視しました。
各箱の内部に温度とりを設置し、夜・朝と温度測定を行い、結果は翌日の午前中に回収しました。
《薪割り》
 お風呂用の薪割りをしました。まず、チェーンソーで丸太を切断し、それを斧で割りました。硬い木材と慣れない斧に大変さを感じつつ、薪割りを行いました。
《組み立て式露天風呂》
 木製の風呂桶と、風呂釜のセットを組み立てて、自分たちで割った薪を浸かって実際にお風呂を沸かしました。90分程で、45℃位まで水の温度が上がりました。実際に、前先生が入浴を行いました。
 


夜は、キャンプ場にある小屋でバーベキューを行いました。太陽光発電の蓄電で照明を行いつつ、お肉・野菜・焼きそば等を鉄板で焼きました。その後、ホテルに移動し、親睦会を行いました。その夜、受講生の草川君は、キャンプ場に戻り、テント内の温熱環境を実感しつつ就寝しました。

5日の午前中は、以下の4項目と片づけを行いました。
《ログハウス(ホテル)の説明》
 講師の宮岡先生と井口先生より、宿泊施設のログハウスについての説明を頂きました。木材の組み立て方を聞いたり、お湯を出して灯油給湯機が稼働するのを確かめたりしました。
《エアロバイク発電機》
キャンプ場にて、エアロバイク発電機を用いて、電気を生み出す体験をしました。平均20W程度で発電しました。発電量は大きくはないですが、ペダルが軽くてこぐのが楽でした。
《家・テントの温度データの確認》
 前室に設置した家とテントの内部に設置した温度とりのデータを確認しました。外気温度と比較すると、テントで最も夜・昼の温度変化が小さく抑えられていました。作成した家を比較すると、C(温室タイプ)で、夜間放射と日射取得が大きくなり、最も夜・昼の温度変化が大きくなりました。A(高断熱タイプ)とB(ぷちぷち+水蓄熱)では、夜は同程度の温度変化を示しましたが、昼間は蓄熱が効いてBの温度が安定していました。
《TANPOPOでのコーヒータイム》
 TANPOPOで、コーヒーを頂きながら、花岡さんにお話を伺いました。30年間この地に住んでいらっしゃる花岡さんは、周辺に生息する動植物の変化を通して、ご自身が実感されている気候の変化をお話し下さいました。例えば、30年前はほとんど見られなかった鹿が今では当然のように生息していることや、低地に生息している草花が高地の花に替って生息するようになったお話などをお聞きしました。
《ログハウスの環境測定》
 講師・TAがホテルに戻り、ログハウスの環境測定を行いました。サーモカメラで、日射により屋根面の温度が上昇していることが確認されました。また、輝度分布を解析するための写真撮影を行いました。

午後は、昼食を井口先生設計の中華料理屋華空間で取り、渋滞に巻き込まれつつ、21時頃に学校について解散しました。ご協力下さった方々、本当にありがとうございました。無事に2日間のキャンプを終えることが出来ました。受講生の皆さんは、キャンプで体感したことを思い出しながら、設計に取り組んで下さい。とりあえずは中間発表が近いですが、建築の形にすることを目指して頑張りましょう!